家庭血圧が正常なら「会社の検診の血圧値は無視するという」という気持ちで受ければいい

By | 2015年5月31日
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石川県七尾市にある恵寿総合病院の旧サイトに医療相談コーナーがあり、当時のコンテンツが現在も閲覧可能です。その中に白衣高血圧症と思われる若い男性が悩みを寄せています。

Question
26歳男性(既婚)です。私の悩みは毎年6月になると会社で行われる定期健康診断の血圧測定です。なにが悩みかと言いますと、血圧測定時にかなり緊張してしまい去年は上が200まで達してしまいました。 (家での測定は通常上が120ー140)
健康診断が有ると思うと毎日が憂鬱であり、こんなくだらないことでくよくよ悩んでいる自分が情けなくなります。くだらない悩みだと思いますが、どうか良いアドバイスをお願い致します。

Answer
まず、健康診断の目的はご自分の体をご自分で守るために行うものであって、決して強制されて、いやいやすることではないということをご留意ください。法的な規制もありますが、会社は労働者を守るために行っているのであって、ご自分で医療機関や健康増進施設等で十分健康を管理されているのであれば、健康診断を受ける必要もなく、また例え受けたとしてもその結果を気になさる必要はないものと思われます。 最近はご自宅を含めて、いろいろなところに血圧計というものがあります。したがって、そこで常日頃血圧を測ってみて、問題がなければ、会社の検診の血圧値は無視するという気持ちでよろしいのではないでしょうか。会社の検診は、血圧以外のところをチェックしてもらう!という気持ちでお受けになってみればいかがでしょうか。

26歳だと持病も少ない世代なので、同僚同士で検診結果を見せ合ったりするかも知れません。そんなとき、明らかな異常値が出ていると憂鬱ですよね。

会社で行なわれる健康診断の場合、血圧測定で後ろに同僚が待っていたりして、余計に緊張するものです。この質問があった1999年以前だと、白衣高血圧症への理解が少ない看護師や臨床検査技師もいて、測定結果に驚かれることもありました。白衣高血圧症の人には、会社の健康珍談の環境自体が過酷だったと思います。

病院側が回答しているとおり、会社の健康診断がすべてではありません。家庭血圧が正常なら「会社の検診の血圧値は無視する」で本当によいと思います。いまは白衣高血圧症に対する理解も深まっていますので、測定前に自分から「健康診断だと血圧が上がってしまうんです」と声掛けし、あとは自然に任せましょう。たとえ血圧が高くても、それは健康診断だから別にいいのです。

むしろ、ほかの項目を検査してもらうために、積極的に健康診断を受けようではありませんか。